• 2月 20, 2025

非結核性抗酸菌症(NTM)とは?原因・症状・治療法を解説

非結核性抗酸菌症(NTM)は、結核菌とは異なる抗酸菌によって引き起こされる慢性肺感染症です。閉経後の女性に多いとされますが、男性でも加齢に伴い増加していきます。治療には長期間の抗菌薬投与が必要になります。本記事では、非結核性抗酸菌症の原因・症状・診断方法・治療法・予防策について詳しく解説します。

非結核性抗酸菌症とは?

非結核性抗酸菌症(NTM)は、マイコバクテリウム属の細菌による肺感染症の一種です。結核の仲間の菌になりますが、結核とは違い人から人へは感染しません。日本でも患者数が非常に増加しており、特に中高年女性に多いとされています。

非結核性抗酸菌症の主な原因菌

菌の種類特徴
マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラー(MAC症)本邦のNTM症で最多。土壌や水中に広く存在。
マイコバクテリウム・カンサシ男性に多い。
マイコバクテリウム・アブセッサス治療効果が乏しいことがある。

非結核性抗酸菌症の感染経路

非結核性抗酸菌症は、人から人へ直接感染することはほとんどなく、主に環境中の細菌を吸い込むことで発症します。以下のような環境が感染源になる可能性があります。

  • 水道水やシャワーヘッド
  • 温泉やプール
  • 土壌(ガーデニングなど)
  • 空調設備(エアコンのフィルターなど)

特に免疫力が低下している方や基礎疾患を持つ方は、日常生活での予防策が重要です。

非結核性抗酸菌症の症状

  • 慢性的な咳
  • 血痰
  • 倦怠感
  • 体重減少
  • 発熱(まれに)
  • 呼吸困難(進行すると現れることがある)

症状が徐々に進行するため、早期発見が重要です。

診断方法

診断には以下の検査が用いられます。

  1. 喀痰検査: 痰を培養し、原因菌を特定。
  2. 胸部CT検査: MAC症やその他のNTM症に矛盾しない所見があるかどうか、他疾患の除外
  3. 気管支鏡検査: 喀痰が取れない方、他疾患との鑑別のため
  4. 血液検査: MAC症だけですが、抗GPL-core IgA抗体陽性を参考所見

治療方法

非結核性抗酸菌症の治療には、複数の抗菌薬を長期間使用します。多く使われる薬剤は以下の通りですが、菌種により薬剤は変わってきます。また、すべての患者さんが治療対象となるわけではありません。菌種、合併症、経過(進行速度)を見極めて治療を行います。

使用薬剤特徴
クラリスロマイシンマクロライド系抗菌薬。NTM治療の中心。
リファンピシン抗結核薬としても使用。菌の増殖を抑制。
エタンブトール視神経障害の副作用に注意が必要。

治療期間は1年以上に及ぶことが多く、途中で中断すると耐性菌が生じるリスクがあります。また治療を行っても、再び悪化(再燃もしくは再感染)することもあります。治療が終わっても定期的な観察を要します。

予防策と生活の注意点

  • 加湿器やシャワーヘッドの定期的な清掃(ぬめりを取る)
  • 土壌やホコリの多い場所でのマスク着用
  • バランスの良い食事と適度な運動
  • 定期的な健康診断
  • 喫煙を避ける

日常生活での工夫が、感染リスクを低減するポイントとなります。

まとめ

非結核性抗酸菌症は、結核とは異なる細菌による慢性肺感染症です。最近は非常に増加しており、無症状でレントゲン異常で発見されることも多いです。慢性の経過をとる感染症であり、治療も長期になるため、焦らずしっかりと診断、経過を見極めることが重要です。症状が軽度でも放置せず、早期診断と適切な治療が重要です。日常生活での予防策を心がけ、長期的な健康管理を行いましょう。

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