- 8月 26, 2025
男性も対象に!シルガード9(HPVワクチン)の接種適応拡大についてはじめに
これまで日本では、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)は主に女性への接種が中心でした。
しかし2025年8月、9価HPVワクチン「シルガード®9」の適応が拡大され、男性にも接種が可能となりました。
これにより、HPV関連疾患を男女ともに予防できる新たな道が開かれたといえます。
女性の子宮頸がんワクチンについてはこちらで解説しておりますので是非ご覧ください。
HPVと関連する病気
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、性行為を通じて広く感染するウイルスで、以下のような病気を引き起こすことが知られています。
女性:子宮頸がん、外陰がん、腟がん、その前がん病変
男性:肛門がん、陰茎がん、その前がん病変
男女共通:尖圭コンジローマ(性感染症の一種)
つまり、HPVは女性だけでなく、男性にとっても大きなリスク要因となるウイルスです。
シルガード9とは?
シルガード9は、9種類のHPV型(6・11・16・18・31・33・45・52・58型)に対応するワクチンです。
従来は女性を対象に、子宮頸がんや尖圭コンジローマなどの予防目的で接種されていました。
今回の改訂により、男性にも接種対象が広がり、肛門がんや尖圭コンジローマの予防にも効果が期待できるとされています。
接種スケジュール
9歳以上の男女が対象
通常は 0・2・6か月の3回接種
9歳以上15歳未満では 6~12か月間隔での2回接種も可能
注意点(重要)
男性に対するシルガード9はまだ定期接種(公費)には含まれていません。
そのため、現時点では任意接種(自費)での対応となります。
公衆衛生への意義
今回の男性への適応拡大は、
HPV関連がんの男女双方での発症予防
感染拡大の抑制
性別を問わない健康増進
といった点で、日本の公衆衛生にとって大きな前進です。
まとめ
2025年8月より、シルガード9は男性にも接種可能となりました。
子宮頸がんだけでなく、肛門がんや尖圭コンジローマなど幅広い疾患の予防が期待できます。
ただし、現時点では任意接種(自費)のみである点にご注意ください。
HPVは性別を問わず感染するウイルスです。これからは「女性だけのワクチン」ではなく、男女ともに健康を守るワクチンとして、シルガード9が広がっていくことが期待されます。
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当院は京都市伏見区醍醐合場町にある医院です。呼吸器内科の専門医であり、呼吸器領域を中心に診療を行っております。男性でもシルガード9にご興味がある方は当院で接種可能ですのでお電話でお問い合わせください。