• 12月 31, 2025

プロテインでおならが臭い・下痢になる理由と、腸を守るための正しい飲み方:醍醐辻医院

はじめに最近、患者さんから「健康のためにプロテインを飲み始めたけれど、お腹がゴロゴロして下痢気味なんです」 「おならが異常に臭くなって、家族にも言われて困っています……」とご相談を受けました。

昨今の健康ブームにより、筋肉をつけたい方だけでなく、美容や健康維持のためにプロテインを習慣にする方が非常に多くなりました。しかし、その一方で「良かれと思って始めた習慣が、逆に腸内環境を荒らしてしまっている」ケースも目立ちます。

プロテインは正しく活用すれば素晴らしい栄養補助食品ですが、飲み方を間違えると体に負担をかけてしまいます。今回は、患者さんからのリアルな悩みを踏まえ、なぜ不調が起きるのか、そしてどうすれば健やかにお腹を守れるのかを詳しく解説します。

当院は京都市伏見区醍醐合場町にある、呼吸器内科を中心とした内科クリニックです。
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1:「健康のため」が逆効果に?プロテインでおならが臭くなる正体

患者さんの多くが驚かれるのが「タンパク質の摂りすぎが腸内の腐敗を招く」という事実です。

腸内は「ゴミ屋敷」の状態かも?
プロテイン(タンパク質)は筋肉や皮膚、髪の材料になる大切な栄養素ですが、私たちの体が一回に消化・吸収できる量には限りがあります。

一度に大量のプロテインを流し込むと、小腸で吸収しきれなかった分がそのまま大腸へと送られます。すると、大腸に住む「悪玉菌」がこれをエサにして増殖し、タンパク質を腐敗させてしまうのです。

この腐敗プロセスで発生するのが、硫化水素やアンモニアといったガスです。「卵が腐ったような臭い」のおならが出るのは、まさに腸内が「ゴミ屋敷」のように汚れ、悪玉菌が優位になっているという、体からのSOSサインなのです。

2:下痢や腹痛を招く「乳糖」と「添加物」の落とし穴

次に多い相談が「飲んですぐにお腹を下す」という症状です。これには主に2つの理由が考えられます。

① 日本人の体質と「乳糖」の関係
多くのホエイプロテインには、牛乳に含まれる糖分「乳糖(ラクトース)」が含まれています。 実は、日本人の約3人に2人は、この乳糖を分解する酵素が少ない「乳糖不耐症」という体質だと言われています。患者さんの中にも「牛乳を飲むとお腹が緩くなる」自覚がないままプロテインを飲み始め、不調を感じている方が少なくありません。

② 人工甘味料による刺激
市販のプロテインを飲みやすくするために使われている人工甘味料(スクラロースやアセスルファムK、糖アルコールなど)も、人によっては腸を刺激し、便を柔らかくしてしまう原因になります。

3:患者さんへアドバイスしている「失敗しない飲み方」5選

不調を訴える患者さんに、いくつか改善策をご紹介します。

① プロテインの「質」を見直す(WPIの選択)
ホエイプロテインには「WPC」と「WPI」の2種類があります。下痢をしやすい方には、乳糖を極限まで取り除いた「WPI(ホエイプロテイン・アイソレート)」を強くおすすめしています。これだけで不調が改善する方は非常に多いです。

② 「ソイ(大豆)プロテイン」や「エッグプロテイン」への切り替え
牛乳由来が体質的に合わない場合は、植物性のソイプロテインが選択肢になります。吸収が穏やかなため、胃腸への負担を抑えることができます。

③ 「1回量」を減らし、「回数」を分ける
「1日1回、山盛り2杯」といった飲み方ではなく、「1日の摂取量は変えずに、1回の量を半分にして回数を増やす」ことを勧めています。これだけで消化能力のキャパオーバーを防ぐことができます。

④ 発酵食品と食物繊維をセットで摂る
プロテイン単体で摂るのではなく、善玉菌のエサとなる食物繊維(海藻、キノコ、野菜)や、善玉菌そのものを含む発酵食品(納豆、味噌など)を食事に取り入れるよう指導しています。腸内環境のバランスを整えることが、結果としてタンパク質の吸収効率も高めます。

⑤ 水分摂取と温度に気をつける
冷たすぎる水で一気に飲むと、胃腸の動きが鈍くなります。常温に近い水でゆっくり飲むことも、消化を助ける大切なポイントです。

しかし、残念ながら、プロテインはあくまで「補助」であり、あなたの体作りの基礎となるのは、日々の「基本の食事」です。この大原則を忘れてプロテインばかりに頼ってしまうと、期待する効果が得られないだけでなく、かえって体調を崩してしまうこともあります。

1:プロテインは「栄養補助食品」であり、食事の「代替品」ではない

まず、この最も大切な事実を理解しましょう。

プロテインは「足りない分を補うもの」

プロテインという名前は「タンパク質」を意味しますが、市販されている製品は「タンパク質を主成分とする栄養補助食品」です。つまり、食事で不足しがちなタンパク質を手軽に補給するためのものであり、食事そのものを置き換えるものではありません

プロテインだけでは「栄養が偏る」
体に必要な栄養素は、タンパク質だけではありません。

炭水化物: エネルギー源(特に筋肉合成には不可欠)

脂質: ホルモン生成、細胞膜の材料、エネルギー源

ビタミン・ミネラル: 体の機能を円滑にするための潤滑油

これらの栄養素は、肉、魚、野菜、穀物など、様々な食品からバランス良く摂取することで、初めて体内で適切に機能します。プロテインだけで食事を済ませてしまうと、これらの重要な栄養素が不足し、結果として体調不良や停滞を招いてしまうのです。

2:なぜ「基本の食事」が体作りの土台なのか?

体作りを成功させるには、まず「栄養バランスの取れた食事」という揺るぎない土台を築くことが不可欠です。

① 食事全体で「総合的な栄養」を摂る
食材には、プロテインには含まれない様々な栄養素が複合的に含まれています。

ビタミンB群: タンパク質や糖質の代謝を助ける

食物繊維: 腸内環境を整え、栄養吸収を促進

ポリフェノール: 抗酸化作用で体の回復をサポート

これらは、食材の「皮」や「細胞壁」の中に存在し、プロテインパウダーだけでは得られにくいものです。食事からこれらの栄養素を丸ごと摂ることで、プロテインで摂取したタンパク質も最大限に活用されるようになります。

② 消化・吸収のプロセスも重要
固形物を食べることで、私たちは咀嚼(そしゃく)し、胃や腸が蠕動(ぜんどう)運動を起こし、消化液が分泌されます。この一連のプロセスは、消化器系を適切に機能させ、栄養素を効率的に吸収するための重要なステップです。

プロテインは素早く吸収されるという利点がありますが、こればかりに頼ると消化器系への刺激が不足し、長期的に見れば消化能力の低下を招く可能性も指摘されています。

③ 満足感と精神的な安定
食事は単なる栄養補給だけではありません。温かい食事をゆっくりと味わうことは、精神的な満足感や幸福感にも繋がります。特にダイエット中は、食事による満足感が不足すると、ストレスが溜まりやすく、かえって過食に走ってしまうこともあります。

3:プロテインを「効果的に活用」するための賢い飲み方

基本の食事が整った上で、プロテインはあなたの体作りを強力に後押ししてくれます。

ポイント① 食事の「スキマ」を埋めるツールとして
例えば、以下のようなシーンでプロテインを飲むと効果的です。

トレーニング直後: 筋肉の修復・合成を促すゴールデンタイム

朝食にタンパク質が足りない時: 手軽に補給し、代謝をアップ

間食として: 小腹が空いた時に、お菓子ではなくタンパク質を摂る

あくまで「この食事ではタンパク質が少し足りないな」「次の食事まで時間が空くから、つなぎで」という意識で活用しましょう。

ポイント② 食材と組み合わせて「完全食」に近づける
プロテインを単体で飲むだけでなく、例えば牛乳や豆乳、フルーツとミキサーにかけてスムージーにするなど、他の食材と組み合わせることで、プロテインに不足しているビタミンや食物繊維を補うことができます。これにより、よりバランスの取れた栄養摂取が可能になります。

ポイント③ 自分の「活動量」と「目標」に合わせて調整する
筋肉量を増やしたい、ダイエットしたい、健康維持したい…など、あなたの目標によって必要なタンパク質量は異なります。 自分の活動量や目標に合わせて、適切なタンパク質量を算出し、その上で食事で賄いきれない分をプロテインで補う、という考え方が重要です。

まとめ:「基本の食事9割、プロテイン1割」の意識で
プロテインは、忙しい現代人にとって非常に便利なアイテムであり、上手に活用すれば体作りを効率的に進めることができます。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、まず何よりも「基本の食事」を大切にするという意識が不可欠です。

毎日3食、バランスの取れた食事を意識する

肉、魚、卵、大豆製品、野菜、穀物を満遍なく摂る

その上で、足りないと感じる時だけプロテインを活用する


プロテインは魔法の飲み物ではありません。あくまで「食事を補うもの」です。 おならの臭いや下痢を我慢して飲み続けることは、健康への近道どころか、腸を傷つけ、全身の不調を招くリスクにもなり得ます。もし今、お腹の不調を感じているのであれば、それは「今の飲み方があなたに合っていない」という大切なサインです。

「プロテインさえ飲めば大丈夫」という考えは捨てて、賢くプロテインを使いこなし、健康的で強い体を手に入れましょう。今回ご紹介した対策を一つずつ試して、自分の体に合った「心地よいプロテイン習慣」を見つけてください。

当院は京都市伏見区醍醐合場町にある、呼吸器内科を中心とした内科クリニックです。
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