• 6月 29, 2026

その「ぐっすり眠れていない感じ」、睡眠時無呼吸が隠れていませんか

── いびき・日中の眠気・夜間の頻尿が気になる方へ

「しっかり寝ているはずなのに、日中の眠気が抜けない」 「家族から、いびきや呼吸が止まっていることを指摘された」 「夜中に何度もトイレで目が覚めてしまう」――こうした不調の背景には、睡眠時無呼吸が隠れていることがあります。

こうした症状に、ひとつでも心当たりのある方はいらっしゃらないでしょうか。お仕事や家事に追われる毎日のなかで、「年齢のせい」「疲れているだけ」と見過ごされがちですが、その背景に 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS) が隠れていることが少なくありません。

当院は内科・呼吸器内科として、こうした「眠りと呼吸」に関わる不調を専門的に診療しています。この記事では、30代から70代の働き盛り・生活の中心となる世代の方に向けて、OSASの症状と、見逃されやすい「夜間の頻尿」との関係、そして検査・治療の流れについてご説明します。

当院は京都市伏見区醍醐合場町にある、呼吸器内科を中心とした内科医院です。
京阪バス合場川から徒歩約1分
東西線石田から徒歩約10分
車の場合は六地蔵駅から5分、山科駅から15分、京阪宇治駅からも15分です。
お気軽にご相談ください。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)とは

OSASは、眠っている間にのどの奥(上気道)が狭くなったり塞がったりして、呼吸が一時的に止まる・浅くなることをくり返す病気です。呼吸が止まると体は酸素不足になり、そのたびに脳が浅く目を覚まして呼吸を再開させます。

問題は、この「中途半端な目覚め」がご本人の自覚のないまま一晩に何十回もくり返されることです。睡眠が細切れになり、見かけの睡眠時間は足りていても、体も脳も十分に休めていない状態になります。結果として、日中の強い眠気や集中力の低下、そしてさまざまな全身の不調につながっていきます。

重症度は「無呼吸低呼吸指数(AHI)」という、1時間あたりに呼吸が止まる・浅くなる回数の指標で評価します。おおよそ、1時間あたり5〜14回が軽症、15〜29回が中等症、30回以上が重症の目安とされています。

こんなサインはありませんか ── 夜のあいだに起こる症状

OSASのサインは、ご自身では気づきにくいものが多いのが特徴です。同居されているご家族からの指摘が、発見のきっかけになることもよくあります。

  • いびき 大きく途切れがちないびきは代表的なサインです。呼吸が止まる直前にいびきがピタッと止まり、再開時に「ガッ」と大きな音とともに息を吹き返すパターンは、OSASを強く疑わせます。
  • 呼吸が止まっている、という指摘 ご家族から「寝ているとき、息が止まっていることがある」と言われたことはありませんか。10秒以上の呼吸停止は重要なサインです。
  • 眠りが浅く、何度も目が覚める 夜中に目が覚める、寝た気がしない、朝起きたときに熟睡感がない、といった訴えもよく聞かれます。なお、夜間にあらわれる咳などの症状が気になる方は、そちらの記事もあわせてご覧ください。
  • 起床時の頭痛・口の渇き 夜間の酸素不足や口呼吸により、朝方の頭痛や、起きたときの強い口の渇きを感じることがあります。

見逃さないでほしい「夜間の頻尿」とOSASの関係

数あるサインのなかでも、ぜひ知っていただきたいのが 夜間の頻尿(夜中に何度もトイレに起きること) とOSASの関係です。

夜間頻尿というと、多くの方はまず「膀胱や前立腺の問題」「加齢のせい」「水分の摂りすぎ」を思い浮かべます。もちろんそれらが原因のことも多いのですが、実は睡眠時無呼吸が隠れた原因になっているケースが、決して珍しくないのです。

なぜ無呼吸が頻尿につながるのか。簡単に説明すると、呼吸が止まると胸の中の圧力が変化し、心臓に戻ってくる血液の量が一時的に増えます。すると心臓が「体に水分が多すぎる」と勘違いし、尿を作って排出するよう促すホルモン(心房性ナトリウム利尿ペプチド)を多く分泌します。この働きによって、夜間にもかかわらず尿がたくさん作られ、トイレに起きてしまうのです。

つまり、夜間頻尿は「泌尿器の問題」だけでなく、「眠りと呼吸の問題」のサインでもあり得るということです。

ここで強くお伝えしたいのは、泌尿器科で調べても原因がはっきりしない夜間頻尿、お薬を飲んでもなかなか改善しない夜間頻尿の場合には、一度、睡眠時無呼吸の観点から精査をしてみる価値が十分にあるということです。特に、いびきや日中の眠気を伴っている方は、その可能性が高まります。「トイレが近いだけ」と片付けてしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。原因が無呼吸にあった場合、適切な治療によって夜間のトイレの回数が減り、睡眠の質そのものが改善することが期待できます。

日中にあらわれる症状 ── 生活や仕事への影響

夜の睡眠が障害されると、その影響は日中の活動にもおよびます。

  • 強い眠気 会議中や運転中など、本来眠ってはいけない場面での居眠りは要注意です。とくに運転中の眠気は事故のリスクにも直結します。
  • 集中力・記憶力の低下、作業効率の低下 「最近、頭がぼんやりする」「ミスが増えた」と感じている方も、その背景に睡眠の質の低下が隠れていることがあります。
  • 疲れが取れない、気分の落ち込みや怒りっぽさ 十分に眠っているつもりでも疲労感が続く、気持ちが沈みやすい、イライラしやすい、といった変化もOSASと関連することが知られています。

これらは「自分の頑張りが足りないせい」ではありません。体の仕組みとして起こっている不調であり、原因を見つけて対処できるものです。

放っておくとどうなるか ── 全身への影響

OSASがこわいのは、日中の眠気だけにとどまらず、放置することで全身の病気のリスクを高めていく点にあります。睡眠中にくり返される酸素不足と、それに伴う体への負担が、長い時間をかけて血管や心臓に影響をおよぼしていきます。

具体的には、高血圧(とくにお薬が効きにくい治療抵抗性の高血圧)、心房細動などの不整脈心不全脳卒中といった、生命に関わる病気との関連が明らかになっています。重症度(AHIの高さ)が増すほど、これらのリスクも高まる傾向があります。

逆に言えば、早めに気づいて適切に治療をすることは、こうした将来のリスクを減らすことにもつながります。睡眠の問題は、単なる「眠りの質」の話ではなく、これからの健康を守るための大切な入り口なのです。

検査と治療の流れ

OSASが疑われる場合、まずはご自宅でできる 簡易検査 から始めることが一般的です。手の指や鼻にセンサーを付けて一晩眠っていただき、睡眠中の呼吸の状態や酸素の値を記録します。検査機器をお貸しして、ご自宅でいつも通りに眠っていただくだけですので、入院の必要はありません。

簡易検査の結果、より詳しい評価が必要と判断された場合には、睡眠の状態をより精密に調べる検査へ進むこともあります。こうして重症度を正確に把握したうえで、一人ひとりに合った治療方針を決めていきます。

治療の中心となるのが CPAP(シーパップ)療法 です。これは、睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、狭くなった気道を内側から押し広げて、呼吸が止まらないようにする治療です。適切に使えれば、いびきや無呼吸が改善し、日中の眠気や夜間の頻尿といった症状の軽減が期待できます。

軽症の方や、あごの形・歯並びの状態によっては、マウスピース(口腔内装置)の作製や、減量・生活習慣の見直し、寝る姿勢の工夫などが選択肢になることもあります。年齢だけで治療できる・できないが決まるわけではなく、症状や合併症の状況をふまえて、最適な方法を一緒に考えていきます。

治療は「続けること」で力を発揮します

ここで、ひとつお伝えしておきたいことがあります。CPAP療法は、つけたその日だけ効くものではなく、毎晩こつこつと使い続け、定期的に通院しながら少しずつ調整していくことで、本当の効果が生まれる治療です。

当院では、使用状況のデータを一緒に確認しながら、マスクが合っているか、空気の圧は適切か、症状は改善しているかを毎回ていねいにチェックしていきます。最初は装着に慣れが必要なこともありますが、定期的に通っていただき、私たちと二人三脚で続けていただくことで、多くの方が「朝の目覚めが変わった」「日中の眠気が減った」「夜中にトイレで起きなくなった」と実感されています。

逆に言えば、自己判断で使うのをやめてしまったり、通院が途切れてしまったりすると、せっかくの効果が得られません。だからこそ私たちは、ご自身の健康と真剣に向き合い、根気よく治療に取り組もうという気持ちのある方を、しっかりとサポートしたいと考えています。一緒に長く続けていける関係を、私たちは大切にしています。

気になる症状があれば、まずはご相談ください

  • 大きないびきや、呼吸が止まっていることを指摘された
  • 日中の眠気や集中力の低下が、仕事や生活に支障をきたしている
  • 夜中に何度もトイレに起きる。泌尿器科で調べても原因がはっきりしない
  • 朝の頭痛や、寝ても疲れが取れない感覚が続いている

ひとつでも当てはまる方は、一度きちんと調べてみることをおすすめします。「気のせい」「年齢のせい」と思っていた不調の原因が見つかり、適切な治療で生活の質が大きく変わる可能性があります。

当院は内科・呼吸器内科として、睡眠時無呼吸の検査から治療、その後の継続的なフォローまで一貫して対応しています。気になる症状のある方は、お気軽にご相談ください。あなたの「ぐっすり眠れた朝」を、一緒に取り戻していきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. いびきがあれば、睡眠時無呼吸症候群なのでしょうか?

いびきは代表的なサインのひとつですが、いびき=無呼吸というわけではありません。ただ、大きないびきが途切れる、ご家族から呼吸が止まっていると指摘される、日中の強い眠気があるといった症状が重なる場合は、一度検査をおすすめします。

Q. 検査は入院しないと受けられませんか?

いいえ。まずはご自宅でできる簡易検査から始めるのが一般的です。手の指や鼻にセンサーを付けて一晩眠っていただくだけで、入院の必要はありません。結果に応じて、より詳しい検査をご案内する場合があります。

Q. 夜中に何度もトイレに起きるのも関係がありますか?

関係していることがあります。睡眠時無呼吸では、夜間の頻尿が起こりやすくなることが知られています。泌尿器科で調べても原因がはっきりしない、お薬でも改善しない夜間頻尿の場合は、無呼吸の観点から調べてみる価値があります。

Q. CPAP治療は一生続けないといけませんか?

減量や生活習慣の見直しで改善する方もいらっしゃいます。一方で、多くの方にとってCPAPは続けることで効果を発揮する治療です。当院では使用状況を一緒に確認しながら、無理なく続けられるようサポートします。

Q. 治療をすると、どんな変化が期待できますか?

日中の眠気や集中力の低下がやわらぐ、夜中のトイレの回数が減る、朝の目覚めが楽になる、といった変化を実感される方が多くいらっしゃいます。あわせて、高血圧や心臓・脳の病気のリスクを抑えることも期待できます。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、いびきや日中の眠気だけでなく、夜間の頻尿や、高血圧・不整脈・脳卒中といった全身の病気とも深く関わる病気です。「年齢のせい」「疲れているだけ」と見過ごされやすい不調の背景に、隠れていることが少なくありません。

ご自宅でできる簡易検査から始められ、CPAPをはじめとした治療で、睡眠の質や日中の生活が大きく変わる可能性があります。いびき、日中の眠気、原因のはっきりしない夜間頻尿などが気になる方は、我慢せず一度ご相談ください。当院は内科・呼吸器内科として、検査から治療、その後のフォローまで一貫して対応しています。

長引く咳など、ほかの呼吸器の症状が気になる方は、長引く咳でお困りの方へもあわせてご覧ください。

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アクセス:京都市伏見区醍醐合場町18-11(石田駅から徒歩10分/京阪バス「合場川」停留所から徒歩1分)

※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、診断・治療方針は個々の患者さんの状態によって異なります。症状や治療についての具体的なご相談は、診察の際にお尋ねください。

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