- 7月 17, 2026
熱中症に気をつけて 〜症状・原因・予防・対処のポイント〜

気温と湿度が高くなるこの季節。熱中症は「暑さによる体の不調」で、屋外だけでなく室内でも、汗をかいていなくても起こります。正しく知って備えれば防げる病気です。ご家族みんなで気をつけましょう。
「これって熱中症かな?」と気になる方へ。当院では、熱中症をはじめ夏の体調不良のご相談を承っています。早めの受診が重症化の予防につながります。Web予約より、お気軽にご相談ください。
1. 熱中症ってどんな状態?
暑さで体温の調節がうまくいかなくなり、体に水分・塩分の不足や体温の上がりすぎが起こる状態です。軽いものから、命に関わる重いものまで幅があります。ふだんは汗をかいて体の熱を逃がしていますが、湿度が高いと汗が乾かず、熱がこもってしまうのです。
体の深部の温度が高くなりすぎると(およそ40℃前後以上)、脳や腎臓、筋肉といった大切な臓器に負担がかかります。さらに、汗で水分と塩分がどんどん失われて血液の量が減ると、脳や腎臓へ十分な血液が届かなくなり、めまい・立ちくらみ・腎臓の働きの低下などにつながります。「たかが夏バテ」と軽く考えず、早めに気づいて対応することがとても大切です。
熱中症は、程度によって「軽症・中等症・重症」に分けられます。軽症は立ちくらみや筋肉のつり、中等症は頭痛・吐き気・強いだるさ、重症になると意識障害やけいれんが現れ、命に関わることもあります。特に重症は単なる水分不足ではなく、全身に炎症が広がる救急の病気です。だからこそ、軽いうちに気づいて対応することが何よりも大切になります。
私たちの体は、暑いと感じると自然に体温を下げようとします。ひとつは汗をかくこと。汗が蒸発するときに体の熱をうばい、体温を下げてくれます。もうひとつは皮膚の血流を増やすこと。皮膚の近くに血液をたくさん流し、外の空気に熱を逃がします。ところが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、この二つのしくみがうまく働かなくなります。その結果、体に熱がたまり続け、熱中症が起こるのです。エアコンや扇風機で「汗が乾きやすい環境」をつくることが大切なのは、このためです。
2. こんな症状に気づいたら
熱中症の症状は、軽いものから重いものへと段階的に進んでいきます。次のようなサインは、体が出している「休んで」という合図です。ひとつでも当てはまるものがあれば、無理をせずに立ち止まって休みましょう。がまんして活動を続けると、あっという間に症状が進んでしまうことがあります。
はじめに出やすいサイン
- めまい・立ちくらみ
- たくさん汗が出る
- 足や手のつり(こむら返り)
- だるさ・倦怠感
- 頭痛
- 吐き気
- どうき
進んでくると
- 強い脱力感
- 嘔吐
- 集中できない
- 反応がにぶい
- ふらつく
- おしっこの量が減る
⚠ 危険なサイン(すぐ対応を)
- 意識がはっきりしない
- けいれん
- まっすぐ歩けない
- 呼びかけへの反応がにぶい
- 体がとても熱い
- 自分で水分がとれない
3. なぜ起こるの?
熱中症は、いくつかの条件が重なったときに起こりやすくなります。原因は大きく分けると「環境」「体の状態」「行動」の3つ。これらが同時にそろうほど、危険が高まります。自分や家族に当てはまる要因がないか、チェックしてみましょう。
- 🌡 環境:気温・湿度が高い/風が弱い/直射日光/閉め切った室内/夜でも室温28℃以上
- 🧍 体の状態:脱水/発熱・下痢/睡眠不足/高齢・乳幼児/持病がある方
- 🏃 行動:長時間の屋外活動/激しい運動/水分・塩分の不足/暑さに慣れていない時期
💡 ワンポイント:とくに高齢の方はのどの渇きを感じにくく、重症化しやすいので注意が必要です。乳幼児は自分で不調を伝えられないため、周りの大人が気を配りましょう。
特に気をつけたい方
高齢の方は、のどの渇きを感じにくく、暑さも自覚しづらいため、気づいたときには重症になっていることがあります。時間を決めて水分をとる習慣をつけましょう。乳幼児は体温調節がまだ未熟で、地面に近く照り返しの影響も受けやすいです。持病のある方や、利尿薬などを飲んでいる方も脱水になりやすいため、いつも以上に注意が必要です。ご本人まかせにせず、まわりの方がこまめに声をかけてあげてください。
4. 今日からできる予防
熱中症の多くは、ちょっとした心がけで防ぐことができます。特別な道具はいりません。毎日の暮らしの中で、今日からできることばかりです。ご家族やまわりの方とも声をかけ合いながら、無理のない範囲で続けていきましょう。
- 💧 のどが渇く前にこまめに水分補給を
- 🧂 汗を多くかいたら水分+塩分(電解質)を
- ❄️ 室温は28℃以下を目安に。エアコンと扇風機を併用
- 🕙 暑い時間帯(10〜16時)の外出はできるだけ避ける
- 👒 通気性のよい服・帽子・日傘を活用
- 📅 体を暑さに慣らす「暑熱順化」には数日〜2週間かかります
💡 暑くなり始めの時期は特に注意:梅雨明けなど急に暑くなったときや、久しぶりの屋外活動では、体がまだ暑さに慣れていません。急に頑張りすぎず、少しずつ体を慣らしていくことが、熱中症予防の近道です。
室内での過ごし方も大切です。「まだ我慢できる」とエアコンをつけずにいると、気づかないうちに室温が上がってしまいます。日中はカーテンやすだれで直射日光をさえぎり、扇風機で空気を動かしましょう。就寝中も、夜間の室温が28℃を超えそうな日はためらわずエアコンを使ってください。トイレが近くなるのを気にして水分を控える方もいますが、それは逆効果です。起きているあいだは、時間を決めてコップ1杯ずつ飲むことをおすすめします。
5. もしものときの応急処置
もし身近な人が熱中症になってしまったら、あわてずに次の順番で対応しましょう。大切なのは「涼しくする」「冷やす」「水分をとる」の3つです。ただし、意識がはっきりしないときに無理に水を飲ませるのは危険です。その場合は、次にご紹介する救急のサインを確認してください。
- 涼しい場所(日陰・冷房の効いた室内)へ移動する
- 衣服をゆるめて、体の熱を逃がす
- 首・わきの下・足の付け根を冷やす(太い血管を冷やすと効果的)
- 意識がはっきりしていれば経口補水液を少しずつ飲む
15〜30分ほど休んでも良くならない場合は、無理をせず医療機関を受診してください。
💧 水やお茶ではなく「経口補水液」を:たくさん汗をかいたときは、水分だけでなく塩分(電解質)も失われています。水やお茶だけを飲むと体内の塩分がさらに薄まり、かえって具合が悪くなることもあります。経口補水液は水分と塩分・糖分がバランスよく含まれ、体に吸収されやすいのが特長です。手元にないときは、水1リットルに塩約3gと砂糖を少し加えても代用できます。
🚑 こんなときは、ためらわず119番を
次のような様子が見られたら、重症のサインです。
- 意識がはっきりしない/返事が変
- 自分で水分が飲めない
- 嘔吐をくり返す
- けいれんがある
- 呼吸がおかしい
- 体がとても熱い/休んでも改善しない
6. まぎらわしい病気に注意
熱中症と似た症状でも、別の病気が隠れていることがあります。「いつもと違う」と感じたら受診を。
| 病気 | 熱中症と似ている点 | 見分けの手がかり |
|---|---|---|
| 感染症 | 発熱・だるさ | 咳・のどの痛み・下痢、数日単位の経過 |
| 脳卒中 | 意識障害・ふらつき | 手足の麻痺・ろれつが回らない・顔のゆがみ |
| 心筋梗塞・不整脈 | めまい・冷や汗 | 胸の痛み・圧迫感、脈の乱れ |
| 低血糖 | 発汗・意識障害 | 糖尿病の治療中、糖分をとると改善する |
| 薬の影響 | 発熱・意識の変化 | 最近始めた薬がある(利尿薬など) |
まとめ
熱中症は、暑さで体温の調節がうまくいかなくなり、脱水と高体温によって全身に負担がかかる状態です。屋外だけでなく室内でも、汗をかいていなくても起こり、放っておくと命に関わることもあります。けれども、正しく知って備えれば防げる病気でもあります。めまい・だるさの段階で涼しい場所へ移動し、水分・塩分を補給する——このひと手間が重症化を防ぎます。そして、意識がおかしい・自分で水分がとれない・けいれんがあるといったときは、迷わず119番を。ご自身とご家族の体調を気づかいながら、暑い季節を元気に乗り切りましょう。
参考リンク(外部サイト)
熱中症の最新の予防情報や暑さ指数(WBGT)については、以下の公的機関のサイトもあわせてご覧ください。
気になる症状は、当院へご相談ください
「これって熱中症かな?」と迷ったときも、お気軽にご相談ください。早めの対応が重症化を防ぎます。
医療法人緑萌会 辻医院
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※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療に代わるものではありません。症状については医療機関でご相談ください。